物質の状態(固体・液体・気体)とその状態変化について解説!
物質の状態についてどの程度ご存じでしょうか。私たちは、固体・液体・気体の3つの状態があることは分かると思います。しかし、前記の三態の変化、エネルギーに関しての細かな内容は難しい内容であり分からないという方も多いと思います。本項目ではその物質の状態の基礎を紹介したいと思います。
固体とは
粒子間の距離が小さく粒子間に引力がはたらくものです。粒子はほぼ一定の位置に固定され、その位置を中心に振動しており多くは規則正しい配列をした結晶の状態のことをいいます。体積や形が変わらないものをいうので私たちの身近にあるものはほとんどが固体になります。常温・常圧(25℃、101kPa)で固体の物質がほとんどです。
液体とは
粒子間の距離が小さく粒子間に引力がはたらくものです。粒子の配列は乱れておりところどころに空所があります。その粒子が不規則に集合している性質を利用して相互の位置を変えることが出来るため液体には流動性があります。常温・常圧で液体の単体は臭素と水銀だけです。
気体とは
粒子間の距離が大きく粒子間に引力がほとんどはたらかないものです。粒子は自由に飛び回っており、ばらばらに離れて運動している状態のことをいいます。常温・常圧で気体の単体は水素、窒素や酸素、18族(希ガス)にあたるヘリウム、アルゴン等も同様です。
物質の三態変化とは
ほとんどの物質は、温度・圧力を変化させると固体・液体・気体のいずれかの状態に変化します。このことを物質の状態変化又は三態変化といいます。
上図の説明をしますと、固体から液体への変化を融解、液体から固体への変化を凝固、液体から気体への変化を蒸発、気体から液体への変化を凝縮、固体から気体及び気体から固体への変化を昇華といいます。
具体的に『水』を例にしますと、水(液体)は0℃以下では氷(固体)になり、100℃以上では水蒸気(気体)になります。温度によって姿を変えるのが状態変化ということになります。他に身近にあるものですと、二酸化炭素が固体(ドライアイス)から気体になり、ナフタレン等防虫剤に使用されている物質が固体から直接気体になる『昇華』は固体から気体の変化がほとんどになります。
状態変化とエネルギーとは
固体の状態では、粒子が規則正しく配列していて、その温度に応じた熱エネルギーによって振動(熱運動)しています。固体を加熱すると、この振動が激しくなって温度が上昇します。ここで加熱を続けると粒子の規則正しい配列がくずれ、粒子が自由に位置を変えられるようになります。これが固体から液体に変化するということです。固体が液体になるときの温度を融点といいます。固体の温度が融点に達したときにこの固体が完全に液体になるまでに外部から吸収するエネルギーを融解熱といいます。融解熱は粒子の規則正しい配列をくずすために必要なエネルギーのことですので、融解が終わるまで物質そのものの温度には変化がありません。
液体を加熱すると粒子の熱運動が次第に強くなり、ついには粒子間の引力に打ち勝って粒子が次第に離れていき、ばらばらになって空間を移動するようになります。これが液体から気体に変化するということです。液体が気体になるときの温度を沸点といいます。液体が全部気体となるまでに吸収する熱エネルギーを蒸発熱といい、液体をつくる粒子同士を引き離すために必要なエネルギーのことをいいます。
最後に
今回は物質の状態について基礎を説明させていただきました。水のように温度変化で形が変わるだけのものもあれば、物質の中には化学変化、化学反応を起こして有害な物質を生成するものもあります。様々な化学物質を取り扱う事業所におきましては日ごろから物質の性状についてよく知っておくことが大事になってきます。
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