スナゴケの魅力

スナゴケって知っていますか?何億年も前から地球に存在する苔の一種です。星の形をした真青で美しい、とてもたくましい苔です。スナゴケが温暖化から地球を救うかもしれません!?

目次
1.苔について
2.スナゴケの魅力
2-1.スナゴケの特長
2-2.スナゴケの緑化
2-3.屋上緑化に挑戦!
3.まとめ

苔について

苔は古くから日本庭園や盆栽のマルチングアイテム(写真1)として使われてきました。苔は大きく蘚類(せんるい)と苔類(たいるい)に分かれますが、庭や盆栽に使われるのは蘚類でスギゴケ、ギンゴケ、スナゴケなどがあります。苔類はゼニゴケやジャゴケなど地面にべったりと這うあまり見た目の良くないコケです。しかし、最近では苔テラリウムにゼニゴケなども使われることがあるようで、苔類も捨てたものではありません。
苔には根がなく、水分は表面全体から吸収するため周辺の湿度に影響されやすい植物です。日陰の道端や、山の倒木、岩など(写真2)に多く見られます。


写真1


写真2

スナゴケの魅力

スナゴケの特長

蘚類であるスギゴケやギンゴケは、直射日光の当たらない常に湿度のある場所でないとよく育ちませんが、同じ蘚類でもスナゴケ(写真3)は日当たりが良く乾燥した環境でよく育ちます。スナゴケは乾燥しているときは縮こまってカサカサになっています(仮死状態)が、一度雨が降れば真青な星形の葉をフカフカにして蘇るたくましく美しい苔です。日当たりの良い苔庭に用いられる理由です。


写真3

スナゴケの緑化

緑化の目的はヒートアイランド現象の抑制、建物の断熱効果を上げる省エネ対策です。しかし、屋上や壁の緑化には大量の土がいること、植物のための給水や剪定などのメンテナンスが必要になることが課題でした。そこで最近注目されているのがスナゴケでの緑化です。スナゴケなら少量の土で済み、直射日光の当たる屋上でも雨程度の給水で育つ、つまり一旦、スナゴケを設置したらあとは自然に任せるだけで屋上の緑化ができます!さらにスナゴケは、大気中のCO2や有害物質の吸収に有効であるという説もあり省エネと温暖化と水不足に対応した地球環境にやさしい最強の植物なのです!

スナゴケ緑化に挑戦!

わが社の小さな建物では、太陽光発電パネルの発電量はわずかで設備費の償却に20年以上!?それならば、「スナゴケで屋上緑化をしよう。コストはかけずに自ら苔を育てよう!」と簡単に考え、育苗トレーに山砂、そしてスナゴケの種を購入して素人二人で、空いた時間を使って設置しました(写真4)。台風やカラスと闘いながら種苔の活着に1年、さらに増殖育成に1年と長い時間がかかりましたが、「育てる」ことの大切さを実感しました。余ったスナゴケを鉢に植え苔盆栽の培養も始めました(写真5)。省エネ効果とは別に「癒し」の効果も与えてくれます。

写真4

写真5

まとめ

思い付きで始めたスナゴケの屋上緑化も3年目を迎えました。目まぐるしく変化する社会の中で、スナゴケは少しずつ成長してきました。苔は一旦吸収したCO2を放出することなく体内に固定します。苔のCO2吸収量がどのくらいかは解かりませんが、温暖化防止にわずかでも貢献できれば幸いです。
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