2022.07.21
コラム

公衆浴場の水質検査について解説

銭湯や健康ランド、老人福祉施設等で使用する水は「公衆浴場における衛生等管理要項」に基づき管理されております。本コラムでは公衆浴場の分類や対象施設、水質検査項目や頻度についてお話します。

目次
1.公衆浴場の定義
2.公衆浴場の分類及び対象施設
3.水質検査項目及び頻度
4.まとめ

公衆浴場の定義

公衆浴場法により、公衆浴場は「温湯、潮湯又は温泉その他を使用して、公衆を入浴させる施設」と定義されています。一般的な銭湯や健康ランドなどが該当します(詳しくは次の「2. 公衆浴場の分類及び対象施設」でお話します)。

公衆浴場の分類及び対象施設

公衆浴場は「一般公衆浴場」と「その他公衆浴場」に分類されます。

(1)一般公衆浴場
地域住民の日常生活において保健衛生上必要なものとして利用される施設を指します。銭湯や老人福祉センターの浴場が該当します。

(2)その他公衆浴場
一般公衆浴場以外の公衆浴場で、保養、娯楽その他の目的で利用される施設を指します。健康ランド、ゴルフ場やアスレチックジム等スポーツ施設に併設されるもの、工場等に設けられた福利厚生のための浴場、サウナ、個室付き公衆浴場、移動入浴車、エステティックサロンの泥風呂等が該当します。

ここで注意する点として、上記以外の浴場は、その他の法令や条例により管理されています。つまり、公衆浴場法適用外の浴場と分類されます。
例として、旅館業法の適用を受ける宿泊施設の浴場、病院や老人保健施設のデイ・ケアとして使用する浴場等があります。

水質検査項目及び頻度

公衆浴場で使用する水は「公衆浴場における水質基準等に係る指針」により、その水質基準に適合しなければなりません。水の種類により、「原湯」、「原水」、「上がり用湯」、「上がり用水」、「浴槽水」に分類されます。分類の定義、検査項目及び基準値は厚生労働省のホームページ、「公衆浴場における衛生等管理要項」に掲載されております。以下に水の種類ごとの検査項目と検査頻度についてまとめました。

(1) 「原湯」、「原水」、「上がり用湯」、「上がり用水」
色度、濁度、pH値、過マンガン酸カリウム消費量又は有機物(全有機炭素(TOC))、大腸菌、レジオネラ属菌の6項目が対象になります。
検査頻度は1年間に1回以上です。

(2)「浴槽水」
濁度、過マンガン酸カリウム消費量又は有機物(全有機炭素(TOC))、大腸菌群、レジオネラ属菌の4項目が対象になります。検査頻度は、浴場施設の水の使用方法により以下のように定められています。
・入換式浴槽の湯は年1回以上
・循環式浴槽で毎日完全に湯を入れ換えている浴槽の湯は年1回以上
・循環式浴槽で連日使用している浴槽の湯は年2回以上
(ただし、浴槽の湯の消毒方法が塩素剤でない場合は年4回以上)

令和元年9月の「公衆浴場における衛生等管理要項の改正について」(厚生労働省)の通知より、検査項目が一部変更されました。有機物(全有機炭素(TOC))が過マンガン酸カリウム消費量と併記され、新たに採用されました。また、原湯等においては、大腸菌群から大腸菌に変更されました。一方で浴槽水は大腸菌群のままです。検査項目の誤りが無いように注意して下さい。

上記と並行して、令和元年9月の「公衆浴場における浴槽水等のレジオネラ属菌検査方法について」(厚生労働省)の通知より、レジオネラ属菌の検査方法について技術的助言が示されました。この通知の中に核酸(DNA、RNA)を直接検出する方法(迅速検査法)リアルタイム PCR法やLAMP法等について書かれております。詳しくは厚生労働省のホームページ及び「第4版レジオネラ防止指針」(公益財団法人 日本建築衛生管理教育センター)を参考にして下さい。

まとめ

公衆浴場の概要、使用する水の水質検査についてお話しました。
弊社は水道法第20条水質検査登録機関として、これまで多くの水質検査を行ってきました。ご不明点がございましたら、お気軽にご相談・お問合せ下さい。

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参考資料
・【厚生労働省】公衆浴場法概要
・【厚生労働省】公衆浴場における衛生等管理要領等の改正について
・【厚生労働省】公衆浴場における浴槽水等のレジオネラ属菌検査方法について

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