実はこんなところにも!?「ダニ」の種類について

みなさまのご家庭ではダニ対策をしていますでしょうか?布団ソファカーペットなど見えないところにダニが潜んでいるかもしれません。今回は、室内にいるダニについてお話ししたいと思います。

目次
1.ダニについて
1-1.分類と生息環境
1-2.被害
1-3.予防措置
2.検査について
2-1.検査対象
2-2.サンプリング
2-3.検査
3.最後に

ダニについて

分類や生息環境

そもそも、ダニとはどういった生き物なのかご存知でしょうか?分類的には、ダニは昆虫よりもクモに近い仲間とされています。コンクリートに赤い小さな虫のような生き物を見たことがありませんか?その生き物はダニの一種で「タカラダニ」といいます。ダニは小さいため、あまり目につくことはありませんが、私たちの周辺環境中に多く生息しています。また「ダニ」と聞くと良いイメージがないかと思います。特に刺咬するマダニは感染症を引き起こすことで有名ですね。しかし、ダニでも人を刺咬するものと、刺咬しないものがおり、多くは刺咬しません。私たちの家の中を住みかとしているダニは、刺咬しないダニがほとんどです。
室内にいるダニは高温多湿な環境を好むため、梅雨の時期によく繁殖します。しかし、近年の住宅は、気密性が高いため梅雨の時期だけでなく1年を通してダニが繁殖しやすい環境になっています。室内環境でみられるダニは、チリダニ類(ヒョウヒダニ類とも呼ばれる)やコナダニ類、ツメダニ類、ホコリダニ類、イエササラダニ類、マヨイダニ類などがいます。ダニの「気門」と呼ばれる器官系の状態によって以下の図のように分類が分かれます。

上記の5亜目のほかに2亜目ありますが、この5亜目が日本に生息しています。これらの内、数種類を取り上げて詳しくご説明します。

チリダニ類(ヒョウヒダニ類)

室内でみられるダニの内、最も多いのがチリダニ類です。チリダニ類は、温度が20~30℃の場所を好み、高温に弱いため60℃以上の場所では1時間で死滅します。また湿度は60%以上でよく繁殖し、湿度50%以下になると繁殖能力がなくなってしまいます。暗い場所(畳やじゅうたん、寝具など)に潜って生活し、食品屑や人のふけなどを餌としています。
チリダニ類の死骸や糞を吸い込むことで、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患を引き起こしてしまいます。このアレルギーを引き起こす物質を「ダニアレルゲン」といい、ダニアレルゲンによるアレルギー疾患を引き起こす原因としてチリダニ類が高い割合を占めます。

コナダニ類

チリダニ類に次いで多くみられるのがコナダニ類です。コナダニ類もチリダニ類と似て湿度の高い環境を好み、食品屑やかびの胞子などを餌としています。梅雨など湿度が高い時期に小麦粉や味噌などに大量繁殖してしまうことで有名です。

ツメダニ類

ダニや小昆虫を餌とする捕食性のダニで、ダニなどを捕らえて体液を吸います。そのため、ダニや小昆虫(チャタテムシ)が多い時に見られます。吸血性はありませんが、人間に対してもまれに刺咬してしまいます。

規制と予防

規制

ダニによる刺咬被害のほかにもダニアレルゲンによるアレルギー疾患を引き起こすことで大きな問題とされています。そのため学校環境衛生基準旅館業における衛生等管理要領で基準が定められています。
学校環境衛生基準では、「ダニ又はダニアレルゲン」として「1平方メートルあたりダニ数は100匹以下、又はこれと同等のアレルゲン量以下であること」、旅館業における衛生等管理要領では、「100cm2あたりダニ数は1匹以下であること」と定められています。

予防

・室内に生息するダニのほとんどは多湿を好みます。そのため、換気あるいは除湿器を使用して、湿度を下げましょう。
・食品屑や人のふけを餌とするため、日ごろから清掃を心がけましょう。
・ダニの死骸や糞によりアレルギー疾患を引き起こすため、掃除機などで吸い取るか、洗濯をこまめに行いましょう。

最後に

室内に生息するダニを完全に排除することはできないので、人に害を及ぼさない程度にダニと共存していくしかありません。現在では、ダニの忌避剤やダニが通過できない程の目の細かいベットマットなど様々なダニ対策製品が販売しています。これらの製品を使用して、ダニの大量繁殖を防ぐと良いかもしれません。
弊社では布団や床を掃除して回収したゴミ(室内塵)のダニ検査を実施しています。顕微鏡で観察するため、どんなダニがどの程度いるか把握することができます。もし気になるようでしたらお気軽にお問合せ下さい。

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