2022.01.06
コラム

細菌の分類と種類とその検査方法について解説!

細菌は多くの種類がいますが、規制基準が設けられている細菌がいます。今回は様々な細菌試験があるなかで、いくつかをピックアップしてお話したいと思います。

目次
1.細菌とは
2.規制されている検査項目
2-1.一般細菌
2-2.大腸菌
2-3.大腸菌群数
2-4.レジオネラ属菌
3.検査方法
4.最後に

細菌とは

細菌とは、原核細胞からなる単細胞生物であり、大腸菌、枯草菌、藍色細菌(シアノバクテリア)などを含む生物群です。下の図のように、ウイルスやカビはまた違う分類になります。

細菌は、空気中や水たまり等の自然環境中のいたるところに生息しており、私たちの身体の中や手足にも生息しています。そして細菌は私たちの日常生活に大きく関わり合っており、細菌の種類によっては人にとって有用な働きをするものもいますが、逆に人に悪影響を及ぼす細菌もいます。例えば、ヨーグルトに乳酸菌が入っているのはご存知かと思います。乳酸菌は糖類を分解して多量の乳酸を作り出す菌の総称で、自然界中だけでなく、人の腸内にもいます。ヨーグルトを介して乳酸菌を摂取すると、腸内細菌叢(腸内にいる多種多様な細菌のこと)のバランスが整えられ、消化が促進されてお通じが良くなることが知られています。一方、サルモネラ菌という食中毒を引き起こす細菌もいます。サルモネラ菌は、豚や鶏などの腸内や、河川水などの自然界中に生息していますが、人の体内に入ってしまうと腹痛や下痢などを引き起こしてしまいます。
現在、日本では細菌の規制がされており、水質における基準や空気環境中、食品における基準など数多くあります。今回は水質検査においてよく実施している細菌4種についてご紹介します。

規制されている検査項目

一般細菌

一般細菌とは、「標準寒天培地を用いて36±1℃で24±2時間で培養したとき、培地に集落を形成する細菌」のことで、「一般細菌」という菌種はいません。一般細菌は河川や土壌、食品や空気中、人の体にも広く存在しているため、無害な細菌が多く含まれますが、病原性大腸菌など、人に害を与える細菌も含まれます。汚染された水ほど一般細菌が多く含まれているため、水の汚染状況を知る目安となります。飲料水やプール水において100CFU/mL以下であることと規制されています。

大腸菌(Escherichia coli)

「大腸菌」とは、人や温血動物の腸管に常在する好気性又は通性嫌気性の細菌のことです。つまり人や動物の腸内に生育し、糞便と共に排出される菌なため、糞便汚染の指標になります。飲料水やプール水において検出されないことと規制されています。

大腸菌群数

「大腸菌群数」とは、グラム陰性の無芽胞桿菌で、乳糖を分解して酸とガスを産生する好気性または通性嫌気性の細菌の一群のことです。糞便だけでなく植物、土壌、水などに存在している菌も含まれるので、糞便汚染だけでなく、環境衛生上の指標にもなります。先ほどに挙げた「大腸菌」もこの大腸菌群数に含まれています。
排水において3,000個/mL以内であること、浴水において1個/mL以下であることと規制されています。

レジオネラ属菌(Legionella sp.)

自然界の水系や土壌に広く存在しており、50菌種以上が知られています。レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾルの吸入や誤嚥などによりレジオネラ症に感染してしまいます。レジオネラ症の主な病型としては、重症のレジオネラ肺炎と軽症のポンティアック熱が知られています。軽度な症状もありますが、重度の症状を引き起こすこともあり、最悪の場合死亡する可能性があります。
浴水において10CFU/100mL未満であること、冷却水において100CFU/100mL未満であることと規制されています。

検査方法

検査方法は、検査する対象となる細菌の特性を活かして培養・検出しています。
例えば、大腸菌群数を例に挙げてみましょう。培地はデゾキシコレート培地という培地を使用しますが、大腸菌群が検水中にいる場合、赤~紅赤色の丸あるいは楕円形のコロニーを形成します。これは、「乳糖を分解して酸とガスを産生する」という特性を活かしたものです。乳糖の分解によって生じた酸が水溶性のデゾキシコール酸ナトリウムから不溶性のデゾキシコール酸を析出させるのと同時にニュートラルレッドを赤変させ、デゾキシコール酸と結合することによって混濁した赤色集落(コロニー)を形成する仕組みになっています。
このように目的の細菌のみを発育させることで数値化することができます。目的の細菌のみを発育させる培地を選択培地といいます。それに対して一般細菌での検査で使用される標準寒天培地は、様々な細菌を発育させることができるため、非選択培地といいます。
また、培養温度も菌の発育にとって重要ですので、培地の選択や培養温度に注意して検査しています。
近年では遺伝子検査も検査方法として採用されるようになり、弊社でもレジオネラ属菌の遺伝子検査に対応できるようになりました。

最後に

今回は水質検査としてよく実施されている細菌をご紹介しました。ご紹介に挙げた細菌以外にもまだまだ多くの細菌が検査されているので、別の回でご紹介できたらと思います。
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