2022.01.20
コラム

大気汚染に関わる環境基準を知っていますか?

環境に係る基準として大気・水・土壌・騒音・振動・悪臭等がありますが、このコラムでは大気汚染に関わる環境基準について説明していきます。

目次
1.大気汚染の環境基準を決める法律について
2.大気汚染防止法
2-1.規制対象
2-2.ばい煙の定義
2-3.ばい煙の排出規制
2-4.ばい煙の規制項目
2-5 .排出制限、改善命令・使用停止命令
3. 最後に

大気汚染の環境基準を決める法律について

環境公害対策・自然環境対策の法律については大元として『環境基準法』という法律があります。環境基本法は国や自治体が環境・公害に対する理念や規制や法律を定める上での指針になるものです。大気汚染に関する法律は『大気汚染防止法』になります。また、水に対する法律には『水質汚濁防止法』、騒音に対する法律は『騒音規制法』等があります。

大気汚染防止法

規制対象

大元の法律として『大気汚染防止法』がありますが、自治体(県・市・地域による自治体等)においてもそれぞれの状況に則した条例や協定があります。これらの条例は『大気汚染防止法』に基本的に準じていますが、地域によって環境項目や項目の基準値が違う場合があります。

ばい煙の定義

大気汚染防止法では、「物の燃焼等に伴い発生する硫黄酸化物、ばいじん、有害物質(カドミウム、塩素及び塩化水素、フッ素、フッ化水素及びフッ化ケイ素、鉛及びその化合物、窒素酸化物、その他政令で定める物質)」のことをばい煙と定義しています。
主にボイラー等燃焼施設で発生しますが、有機溶剤を使用している施設、自動車の排ガスなども含まれます。ボイラー等燃焼施設は法令上『ばい煙発生施設』といいます。

ばい煙の排出規制

大気汚染防止法では、33の項目に分けて、一定規模以上の施設が「ばい煙発生施設」として定められています。ばい煙の排出基準は、大別すると次の4つになります。

一般排出基準 ばい煙発生施設ごとに国が定める基準
特別排出基準 大気汚染の深刻な地域において、新設されるばい煙発生施設に適用されるより厳しい基準(いおう酸化物、ばいじん)
上乗せ排出基準 一般排出基準、特別排出基準では大気汚染防止が不十分な地域において、都道府県が条例によって定めるより厳しい基準(ばいじん、有害物質)
総量規則基準 上記に挙げる施設ごとの基準のみによっては環境基準の確保が困難な地域において、大規模工場に適用される工場ごとの基準(いおう酸化物及び窒素酸化物)

これら排出基準には、量規制、濃度規制及び総量規制の方法があります。
量規制:施設ごとに適用される排出基準による規制(K値規制)
濃度規制:排出口における排出ガス総量に対する汚染物質の割合(濃度)で規制する方式
総量規制:地域を指定して、大気拡散シミュレーションによる環境濃度予測計算で、環境基準を確保するために必要な排出許容量を計算し、工場単位で規制する方式

ばい煙の規制項目

大気汚染防止法でのばい煙発生施設における規制項目の主なものは、ばいじん、硫黄酸化物、有害物質、がありますが、実際の規制は自治体により重要視する項目が違う場合があります。また、ばい煙発生施設の規模や使用燃料により規制項目や規制値、測定の頻度が変わります。
詳しくはこちらからご覧ください。
ばい煙発生施設に係る主な測定項目の測定頻度一覧(大気汚染防止法施行規則第十五条関係)

排出制限、改善命令・使用停止命令

ばい煙排出者に対し、排出基準に適合しないばい煙の排出を禁止し、故意、過失を問わず違反者に対して刑罰を科せられることとなっています。また、都道府県知事又は大気汚染防止法で定める政令市の長(都道府県知事等)は、排出基準違反のばい煙を継続して排出するおそれがあると認めるときは、当該ばい煙の排出者に対し、ばい煙の処理方法等の改善や一時使用停止を命令することができます。

最後に

大気汚染が続けば、私たちが生活できない環境へと変わってしまいます。そうならないためにも深刻な大気汚染を改善できるよう取り組んでいきましょう。
愛研の大気汚染調査についてはこちら
お問い合わせはこちら

合わせて読みたいコラム
ガスクロマトグラフ(GC)について知っていますか?
局所排気装置の点検や能力について解説!


2006年12月より愛研の社内向けに発行している、「愛研技術通信」をPDFファイルとして公開しています。愛研についてもっと知って頂ける情報も満載です。ぜひそちらもご覧ください!
愛研技術通信はこちらから

ALL