デシベルと周波数とは?詳しく解説!

 

私たちの普段の生活の中では、音の表現はデシベルという言葉を耳にします。また、音が高い、音が低いなどを表現する言葉として周波数が使われます。これらのデシベルと周波数の正体について紹介します。

目次
1.デシベルについて
2.周波数について
2-1.低周波音
2-2.モスキート音
2-3.超音波
3.定比形と定幅形について
4.最後に

デシベルについて

音の大きさを表すデシベルとは、音圧が変換されたものになります。人が聞くことができる最小のレベルを0とするため、実際の音圧を人が聞くことのできる音圧の0.00002Pa(20μPa)で乗じる必要があります。また、空気の圧縮と解放の繰り返しである音圧は、電気の交流信号のように大気圧からのプラス面とマイナス面を持ちます。この平均をそのまま用いて計算してしまうと、答えは0になってしまうため、デシベル表示にするための計算式は「音圧(実効値)の2乗と基準音圧(0.00002)の2乗との比の常用対数の10倍」で求められます。実効値とは、大きさの変化する量をこれに等しいエネルギーをもつ一定の大きさで表すという定義になりますが、これはプラス面もマイナス面も持つ音圧のような信号を代表する指標として用いられ、振幅を2の平方根で乗じた値になります。ただし、音の波形は必ずしもきれいな形状はしていないため、一般的にはたくさんのサンプリングから積分して求めます。

周波数について

周波数とは、振動がある時間当たりに繰り返す波の数をいいます。単位はヘルツ(Hz)です。1Hzの場合、1秒間に発生する波の数が1回となります。波の数は、波形が初期値からプラス側、マイナス側を通り、元の初期値に戻ったところまでで1回としています。2Hzなら1秒間に2回の波、100Hzから1秒間に100回の波があることになります。
この周波数は、少ないほど音は低く聞こえ、多いほど音は高く聞こえます。人間が聞くことができる音の周波数(可聴域)は20Hz~20000Hzの範囲になり、特に2000~4000Hzがもっとも効率よく聞くことができるといわれています。ちなみにイルカは150Hz~150000Hzまで聞き取ることができるそうです。

低周波数音

低周波音という言葉を耳にしたことがあると思います。これは、周波数でいうと100Hz以下の音を指します。さらに、最低可聴域の20Hz以下の音は超低周波音とも呼ばれます。20Hz以下の音はかなり強い音圧でない限り人間は感じることはできませんが、建具にその音波が到達すると同じように振動してしまう共振という現象を起こしてしまい、ガタついたり、心理的ストレスを起こすようなケースも発生してしまいます。

モスキート音

モスキート音とは、170000Hz前後の周波数の音であり、蚊が発する不快な羽音が名前の由来とされています。このモスキート音は可聴域の範囲でも高い周波数に該当します。人間は加齢に伴い、高周波音側の聴力が低下することが知られており、20代前半までの若者にはよく聞こえるが、それ以上の年代の人には聞こえにくいとされています。身近なところはで、深夜に店の前などにたむろする若者たちに不快な音を聞かせて退散させる対策として用いられています。

超音波

超音波とは、最高可聴域の20000Hz以上の音を指します。人が聞こえないだけで音としての性質に変わりがないため、魚群探知機や距離計、洗浄機、殺菌装置などさまざまな用途に用いられています。コウモリは30000Hz~120000Hzの音を出してその反射から距離を把握して暗闇でも自由に飛び回ることができるそうです。

定比形と定幅形について

周波数分析を行う場合、一般に周波数分析器を用いて特定の周波数成分を抜き出す帯域通過フィルタを使用します。その帯域通過フィルタには、定比形定幅形があります。1/1オクターブや1/3オクターブは定比形に該当し、フィルタの帯域幅をΔf、求める中心周波数fmとするとΔf/fmが一定という特徴があります。一方で高速フーリエ変換(FFT)は定幅形に該当し、時間波形ごとのサンプリングデータをN個とすると、NΔf/2.56の周波数成分を求めることができます。

最後に

普段、報道番組などでよく耳にするデシベルという単位は人が聞くことのできる最小の音圧を0としてレベルで表示していることをこのコラムで紹介しました。世間一般的に普及しているほとんどの騒音計はデシベルで表示されます。これにより日常面で困ることはないと思いますが、基礎からデシベルを学ぶことで何か得られるものがあれば幸いです。

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