溶出試験46号・18号・13号の違いについて知っていますか?

土壌や産業廃棄物の溶出試験をご依頼いただくと、よく「46号溶出」・「18号溶出」・「13号溶出」という言葉をよく耳にすると思います。しかし、これらの溶出方法や内容の違いについてはあまり知られていないと思います。そこで、それぞれの試験内容や違いについて簡単に説明しようと思います。

目次
1.46号溶出試験とは何か
1-1.内容
1-2.検液作成方法
2.18号溶出試験とは何か
2-1.内容及び検液作成方法
3.13号溶出試験とは何か
3-1.内容
3-2.検液作成方法
4.まとめ

46号溶出試験とは何か

内容

環境土壌については、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として「土壌の汚染に係る環境基準」(以下「土壌環境基準」という。)が定められています。なお、環境基準は汚染が自然的原因であると認められる場所や原材料の堆積場、廃棄物の埋立地、その他法律により定められている施設に係る土壌については、適用しないとされています。
この土壌環境基準の達成状況を判断するための検液作成方法として、「土壌の汚染に係る環境基準について(平成3年8月23日環境庁告示第46号)」の付表にその詳細が示されております。

検液作成方法

検液の作成は測定する物質により異なり、おおまかに金属類・農薬類等と揮発性有機化合物の2種類に分けられます。
金属類・農薬類等の物質を測定する場合の検液作成は次の通りとなります。
① 採取した土壌を風乾し、中小礫、木片等を除き、土塊、団粒を粗砕した後、非金属製の2mmの目のふるいを通過させて得た土壌を十分混合する。
② 試料(単位g)と精製水(単位 ml)とを重量体積比10%の割合で混合し、かつ、その混合液が500ml(農薬類等は1000ml)以上となるようにする。
③ 調製した試料液を常温常圧で振とう機(振とう回数:毎分約200回、振とう幅:4cm~5cm)を用いて、6時間連続して振とうする。
④ ①から③の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、3,000重力加速度で20分間遠心分離した後の上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過してろ液を取り、これを検液とする。
一方、揮発性有機化合物を測定する場合の検液作成は次の通りとなります。
① 採取した土壌からおおむね粒径5mmを超える中小礫、木片等を除く。(この場合、風乾や粒度調整は行いません。)
② あらかじめ撹拌子を入れたねじ口付三角フラスコに試料(単位g)と精製水(単位 ml)とを重量体積比10%の割合となるように取り、速やかに密栓する。この時、その混合液が500ml以上となるようにし、かつ、容器内のヘッドスペース(空隙)ができるだけ少なくなるようにする。
③ 調製した試料液を常温常圧に保ち、マグネチックスターラーを用いて、4時間連続してかくはんする。
④ ①から③の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、その上澄みを分取し、これを検液とする。

18号溶出試験とは何か

内容及び検液作成方法

土壌汚染対策法に基づく土壌汚染調査を行う際に用いられる試験方法となります。土壌汚染対策法では、土壌汚染による健康リスクのうち「地下水等経由の摂取リスク」の観点については、指定されている特定有害物質について「区域の指定に係る基準」として土壌溶出量基準が設定されています。
この区域の指定に係る基準への適否を判断するための測定方法として「土壌溶出量調査に係る測定方法を定める件(平成15年3月6日環境省告示第18号)」が定められています。
なお、測定を行う際の検液作成方法は1.の項でお話ししました「土壌の汚染に係る環境基準について(平成3年8月23日環境庁告示第46号)」の付表の方法と同様となります。

13号溶出試験とは何か

内容

有害物質を含む産業廃棄物に係る判定基準が「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基準を定める総理府令(昭和48年2月17日総理府令第5号)」により定められています。
その判定基準に適合するか否かを判定するために「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法(昭和48年2月17日環境庁告示13号)」が定められています。

検液作成方法

検液の作成は土壌と同様に測定する物質により異なり、おおまかに金属類・農薬類等と揮発性有機化合物の2種類に分けられます。今回は処分方法のうち、埋立処分の内容についてお話します。(海面埋立処分や海洋投入処分の場合は異なります。)
金属類・農薬類等の物質を測定する場合の検液作成は次の通りとなります。
① 採取した試料は有姿のまま小石などの異物を取り除き、pH5.8~6.3(陸水想定)に調整された水を重量体積比10%になるように混合し、かつ、その混合液が500mLとなるようにしたものとする。
② 調製した試料液を常温常圧で振とう機(振とう回数:毎分約200回、振とう幅:4cm~5cm)を用いて、水平に6時間連続して振とうする。
③ ①、②の操作を行って得られた試料液を、孔径1μmのメンブランフィルターを用い、その液を検液とする。ろ過が著しく困難な場合は、3,000重力加速度で20分間遠心分離した後の上澄み液をろ過して検液とする。
一方、揮発性有機化合物を測定する場合の検液作成は次の通りとなります。
① 採取した土壌からおおむね粒径5mmを超える中小礫、木片等を除く。(この場合、風乾や粒度調整は行いません。)
② あらかじめ撹拌子を入れたねじ口付三角フラスコに汚泥(単位g)と精製水(単位 ml)とを重量体積比10%の割合となるように取り、速やかに密栓する。この時、その混合液が500ml以上となるようにし、かつ、容器内のヘッドスペース(空隙)ができるだけ少なくなるようにする。
③ 調製した試料液を常温常圧に保ち、マグネチックスターラーを用いて、4時間連続してかくはんする。
④ ①から③の操作を行って得られた試料液を10分から30分程度静置後、その上澄みを分取し、これを検液とする。

まとめ

今回は土壌や廃棄物の溶出試験について、溶出方法や内容の違いをお話いたしました。分析を行う目的について整理をすると、以下の通りとなります。

【46号溶出】
環境基本法に基づき、人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として「土壌の汚染に係る環境基準」が定められており、そのうち溶出量の試験方法を示したもの。

【18号溶出】
土壌汚染対策法に基づき「区域の指定に係る基準」が定められており、そのうち溶出量の試験方法を示したもの。

【13号溶出】
「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」のうち溶出量の試験方法を示したもの。

 

測定、分析をご依頼いただく際には、何のために測定するのか(目的)や適用する法律を確認することが必要になると思います。弊社も環境計量証明機関として、これまで多くの分析実績があります。各媒体の溶出試験についてご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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